木陰での休息が近視を防ぐ
- 近年、世界的に近視患者が増えています。
- 特に、我が国や中国、香港、台湾、韓国、シンガポールといった東アジア諸国で急増中です。
- 文部科学省が2016年に実施した調査によると、裸眼視力が「1.0未満」の小学生の割合は31.4%、「0.3未満」は8.6%という結果でした。1979年の調査では「1.0以下」が17.9%、「0.3未満」は2.6%でした。
- この約30年間に、「1.0以下」の小学生の割合は1.5倍以上、「0.3未満」の割合は3倍以上に増えています。裸眼視力が「1.0未満」の割合は、中学生で54.6%、高校生では65%に達し、その割合は年々増え続けているようです。
- 近視が強度になると、将来、網膜剥離や黄斑疾患などのリスクが高まり、失明に至る方もおられます。中途失明の原因として重要な疾患です。
- アメリカ眼学会の機関誌Ophthalmologyの8月号に、台湾で行われた近視予防に関する面白い研究結果が報告されました。
- 従来の研究では、週に10〜14時間、直射日光下で過ごすことで近視が予防できることが報告されています。
- 今回の研究は、週に11時間以上、さほど強くない日差しの下で過ごすことで近視予防が十分得られると報告しています。
- さらに、学校にいる時間帯に週200分以上1000ルックス以上の屋外で過ごすことで近視の発症や進行を防ぐことができ、この効果は3000ルックス以上でさらに強くなるとのことです。
- 1000ルックスや3000ルックスの明るさは、木陰や学校の玄関ホールくらいの明るさだそうです。
- つまり、近視予防のために野外で遊ぶ必要は全くないのです。
- 休み時間に木陰で休息するとか、玄関ホールで遊ぶとか?
- 太陽光が注ぎ込む教室にするとか?
- 論文では小学校の授業や過ごし方の工夫を提唱しています。
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