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ドライアイの新たな治療薬候補

  • 4月7日、日本大学 﨑元 暢先生の「いま、そこにあるドライアイ診療の新機軸」というご講演を拝聴しました。
 
  • 講演の中で、28℃以下の温度に反応し神経を介して脳に温度低下を伝える働きを持つTRPM8受容体が、眼瞼の内側や目の表面に存在することを紹介されました。
 
  • 体温は約36℃。目を閉じると目の表面は温められ、表面温度が上がります。
  • 目を開けると、目の表面は外界と接するので表面温度は低下します。
 
  • 目を開けていると急速に目の表面温度は低下し、28℃以下になるとTRPM8受容体が刺激され、神経を介して閉瞼や涙液分泌が促されます。
  • この反応が正常時の涙分泌を司っていると報告されています。
 
  • ドライアイでは目の表面温度が低下している方が多く、
  • 常に28℃を下回っていたり、開閉瞼での表面温度の変化が小さいと、
  • TRPM8受容体の働きが不十分となり、涙の分泌が減少するようです。
 
  • そこでTRPM8受容体の働きを促す薬剤が、ドライアイ治療の候補薬とるわけです。
  • ただ現時点では、ラットに対する治療薬の有効性が確認された段階で、ヒトでの検証はまだ行われていません。
 
  • 実用化までにはまだ時間がかかりそうですが、新たな作用機序のドライアイ治療薬として効果が期待されますので、製品化が待たれます。

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