iPS細胞バンク
- いよいよ今年も残り1週間となりました。
- そこで、来年は話題になると私が予想する夢のあるお話を紹介いたします。
- iPS細胞(人工多能性幹細胞)を作られノーベール賞を受賞された山中伸弥先生は、iPS細胞の貢献のひとつとして「難病治療薬の開発」を挙げておられます。
- 例えば、治療法が確立されていない難病患者さんの皮膚や血液などからiPS細胞を作製します。iPS細胞から難病の病態に関わる細胞に分化させ、病気の原因を突き止め、治療薬を作り出す研究をすることができます。
- 茨城県つくば市の理化学研究所バイオリソースセンター(RIKEN BRC)は「iPS細胞バンク」を運営しています。
- RIKEN BRCでは、国内研究機関で作製した難病患者からのiPS細胞を預かり、凍結保存し、他の研究機関からの要請に応じてiPS細胞を提供しています。提供を受けた研究機関はiPS細胞を用いて難病の病態や治療薬について研究することができます。
- 国内ではこれまでに約300種類の疾患患者由来のiPS細胞が作製されており、国が指定した難病の5割以上をカバーしており、RIKEN BRCで保有しています。眼科関連の疾患としては、網膜色素変性症、黄斑ジストロフィー、レーベル遺伝性視神経症やシェーグレン症候群などがあります。
- 平成29年11月の時点でRIKEN BRCは、国内22研究施設、海外8研究施設にiPS細胞を提供したそうです。
- 既に「iPS細胞バンク」を利用した研究が実を結び始めています。平成29年8月、京都大iPS細胞研究所のチームが筋肉などに骨ができる難病「進行性骨化性線維異形成症」の治療薬の候補を特定したと発表し、10月から本格的な臨床試験が始まっています。
- 来年はいろいろな難病で治療につながる画期的な報告がなされるものと予測します。
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