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iPS細胞由来立体網膜シートによる網膜色素変性症治療

住友ファーマ株式会社は、iPS細胞から作成した立体網膜シートを用いた網膜色素変性症に対する治療の第1/2相臨床試験を米国マサチューセッツ州ボストンのマサチューセッツ眼科耳鼻科病院(MEEI)で開始することを米国食品医薬品局(FDA)が承認したことを、昨年末に発表しました。

住友ファーマの発表によると、今年度中に立体網膜シートの移植を1症例目に行う予定とのことです。第1/2相臨床試験ですので、治療の安全性や治療効果について評価され、12例を目標としているそうです。

神戸市立神戸アイセンター病院では2020年に、世界初の臨床研究としてiPS細胞由来網膜シートが2例の網膜色素変性患者さんに移植されており、移植後2年間の網膜シートの生着および安全性が確認されています。

網膜は種々の細胞で構成されており、光を感じた視細胞は光エネルギーを電気信号に変換し、これが網膜内の細胞に伝達・情報処理された後、視神経を経て、脳の視覚中枢に情報が伝わります。

本研究の凄さとして、複雑な構造を持つ網膜をiPS細胞で作製可能となったこと、しかも立体網膜シートを治療材料として安定供給に目処が立っていること、さらに立体網膜シートという生きた細胞組織を活きの良い状態で日本から治験施行施設のあるボストンに輸送する体制を構築したことなどが挙げられます。住友ファーマの企業力の凄さを感じます。

網膜色素変性は、視細胞や視細胞の機能を維持するための働きを有する網膜色素上皮細胞の遺伝子変異が原因で、視細胞や網膜色素上皮細胞の働きが進行性に低下する病気で、夜盲(暗いところで見えにくい)、視野狭窄(見える範囲が狭い)、視力低下といった症状が起こります。

原因遺伝子の種類が多様で、症状の進行は個人差が大きく、長期間の進行の後には、高度な視機能低下をきたすことが多い病気です。国内の患者数は約4〜5万人と推測されており、日本の中途失明原因の第3位です。

RPE65という遺伝子変異に対し、正常なRPE65遺伝子を特殊なウイルスに組み込み網膜下に注入することで遺伝子を修復する治療法が、日本でも一昨年に承認されましたが、その他の遺伝子変異に対しては無効であり、網膜色素変性への確立された治療法は無いのが現状です。

iPS細胞由来の立体網膜シート移植は、どの遺伝子変異にも適応となるため汎用性が高く、治験の結果が注目されます。

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