令和6年12月27日(金) 午前・午後診察します
2024.12.3 お知らせ
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体重超過(overweigh)は体格指数 [BMI:体重kg/(身長m)2]が25.0以上30.0 kg/m2未満、肥満(obesity)は体格指数が30.0kg/m2以上と定義されています。
体重超過や肥満の方は血圧の上昇、中性脂肪の上昇、高血糖といった検査値に異常を有することが増えてくるため、心血管疾患や2型糖尿病、高脂血症などのメタボリック症候群の発症リスクが高まります。
メタボリック症候群は全身の動脈硬化を進行させるため、体重超過や肥満の方は心筋梗塞や狭心症、脳梗塞や脳出血などの発症リスクが高まります。
以前のブログでもご紹介しましたが、網膜の血管は眼底検査や眼底写真といった検査で、血管そのものを観察することができる、身体の中で唯一の血管です。
したがって、以前から全身の動脈硬化の指標として網膜血管が用いられています。
研究チームはAIに学習させ、眼底画像から年齢を推測する機器を開発しました。
正常な方の計測では、実年齢との誤差は3.55歳とのことです。
今回の研究ではこの AIシステムを用いて体重超過や肥満の方の網膜年齢を計測し、実年齢との差を評価しました。
その結果、体重超過や肥満の方は、まだ高血圧や高脂血症、高血糖などの異常を認めない時期において、既に網膜年齢は実年齢よりも高齢で、網膜血管には実年齢以上に動脈硬化が進んでいることが判明しました。
したがって、血圧や脂質、血糖などの検査値に異常がみられないからと体重超過や肥満を放置していると、全身の動脈硬化が進行し、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞や脳出血などを発症する恐れがあるため、体重管理をしっかり行わなければなりません。
この論文の結論は、至極当然と誰もが思うことです。
ただ、網膜血管の動脈硬化をAIを用いて網膜年齢として評価したことが独創的で斬新です。以下は、「日本肥満症予備協会」のホームページにある、肥満予防の方法です。
摂取エネルギーが消費エネルギーを上回るために起こる肥満を単純性肥満といい、肥満全体の95%がこのタイプにあたります。つまり食生活や運動習慣など、肥満になりやすい生活習慣を見直すことで、単純性肥満は予防できると考えられます。
暴飲暴食になりがちな季節を迎えます。
皆様、どうぞご自愛ください。