3歳児健診
- 2024.10.9
- ブログ
先日、男児とお母さんが「3歳児精密検査受診票」を持参し来院されました。
3歳児健診は市町村が母子保健法に基づいて行う健康診査のひとつで、3歳を超え4歳に達しない幼児が対象となります。
目についても健診が行われており、最近は近視・遠視・乱視の強さを大まかに評価できる検査機器が導入され、健診の精度が高まっています。
目の検査については、まずご家庭で簡単な視力検査票を用いた視力検査を行い、目に関するアンケートに記入していただきます(左右の視力が0.5あること、お子様の目について気になることがあるかを調べます)。
ご家庭での視力検査とアンケートの結果を、市町村の保健センターなどで行われる健診に持参していただきます。
ご家庭で視力検査が出来なかったり、視力が0.5未満だったとき、「目で気になることがある」とアンケートに記入された場合は、健診会場で再度、視力検査が行われます。
また、近視・遠視・乱視の強さを大まかに評価する検査も行います。
健診会場での検査で目の病気が疑われたお子さんには「3歳児精密検査受診票」が発行され、眼科での精密検査を受けていただくことになります。
3歳児健診は、1歳半健診の時にはわからなかった斜視や弱視などが発見できる良い機会です。
斜視や弱視は早期に治療を開始することで、視機能の改善につながるため、早期発見の機会として3歳児健診は重要な役割を担っています。
近視・遠視・乱視の強さを大まかに評価する検査機器の導入は、弱視など治療が必要な目の状態の発見を高めることが期待されています。
先日来院された男児は、近視や遠視、乱視もなく、視力は1.0と良好で、目の中にも問題はなく、いたって健康でした。
ご両親の中には、「3歳児精密検査受診票」を受け取っても、眼科受診をためらう方がおられるようです。
「普段から見えていない様子はないので大丈夫。」「眼鏡になるかもしれない。まだ小さいのに、眼鏡をかけさせるのはかわいそう。」「もう少し大きくなってから受診しても遅くはないのでは。」と考えてしまうようです。
3歳児健診の次は小学校入学前の就学時検診まで眼科検査がありませんので、弱視など治療が必要な目の状態の発見が遅れ、治療のタイミングを逃してしまいかねません。
「3歳児精密検査受診票」を受け取られた場合は、お近くの眼科医療機関を是非ご受診ください。
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