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AIが光干渉断層血管撮影の画像を解析し、小さな脳梗塞を診断

眼科は画像AI技術を診療に導入しやすい診療科であると言われています。

既にFDA(米国食品医薬品局)は2018年に、AIが眼底画像から糖尿病性網膜症を診断・検出するシステムを世界で初めて認証しました。

その後も眼科検査画像からAIが角膜疾患や緑内障、加齢黄斑変性などの疾患を診断するシステムの開発についての研究が奉公されています。

今月号のInvest. Ophthalmol. Vis. Sci.に、光干渉断層血管撮影(OCTA)の画像をAIが解析し、脳梗塞、特に小さな脳梗塞の発症も診断可能であるという、中国科学院からの論文が掲載されました。

OCTAは、眼底血管の中を流れる赤血球の動きから血管形態を画像化することができます。造影剤を使わずに数秒で眼底血管の形態を鮮明に描出することができます。 

昨年6月のブログで、急性心筋梗塞患者では網膜・脈絡膜の微小血管が閉塞・脱落し、血管密度が低下しているというギリシャの研究グループの論文を紹介しました。

そのブログでも述べましたが、網膜血管は以前から全身の動脈硬化の指標として用いられており、眼底写真の網膜血管の太さや動脈と静脈が交叉部位の血管走行などから、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる動脈硬化を判定しています。

OCTAは網膜の微小血管を描出することができるため、眼底写真では判らない微小血管の閉塞や脱落、血管密度などを評価することができ、OCTAで検出した微小血管の情報が、全身の動脈硬化の指標となる可能性をギリシャの研究グループの論文は示しています。

今回の中国科学院からの論文は、網膜表層毛細血管網の蛇行や中心窩無血管領域の正円性の減少が、脳梗塞の検出に寄与していたと報告しています。

網膜の血管は、身体の中で唯一、直接観察することができます。

網膜血管の微細構造から全身の動脈硬化を評価し、疾患発症リスクを判定することで、疾患の予防に繋げることができると思います。

AI搭載検査機器の開発が進み、健診での検査として活用される日が来てほしいですね。

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