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2021年における米国での糖尿病網膜症(DR)患者は糖尿病患者の26.43%にあたる約960万人、視機能を脅かすような糖尿病網膜症(VTDR)を有する患者は糖尿病患者の5.06%、約184万人と推測されるという米国研究チームの論文がJAMA Ophthalmologyの電子版に掲載されました。
2000年頃の研究ではDR患者は410万人、VTDR患者は89万9000人と報告されていますので、この20年間でDRやVTDR患者が2倍に増加しています。
米国における糖尿病患者の増加、特に血糖コントロールが不良な患者の増加が、DRやVTDR患者の増加につながっていると論文では述べています。
また今回の結果では、年齢とともに糖尿防患者におけるDR患者やVTDR患者の割合は増加するものの、より高齢者では逆に減少していました。
その理由を、DRやVTDRを有する患者は糖尿病の状態が悪い患者であり、網膜症を発症していない糖尿病患者と比べ、全身的な合併症により早期死亡率が高いためであると考察しています。
2060年には全米人口の17.9%にあたる6006万人が糖尿病を患い、DRやVTDR患者は現在の3倍に増えると予測されており、糖尿病による視機能障害を未然に防ぐ対策が必要であると結論付けています。
我が国でも糖尿病患者は右肩上がりに増加しており、平成9年は690万人、令和4年は1410万人と倍増しています。
糖尿病治療薬の進歩により血糖管理が良好となたっため、糖尿病に伴う合併症は減って来ましたが、眼底検査を定期的に行っている糖尿病患者は半数に満たないと言われています。
糖尿病網膜症はかなり進行しなと自覚症状が現れにくい疾患です。
早期に診断し、適切な時期に適切な治療を行うことで、良好な視機能を維持することができます。
糖尿病を患ったら、長期にわたる良好な血糖管理と定期的な眼科受診が必要です。