野菜と果物を多く食べる人は死亡のリスクが低い
「野菜と果物を多く食べる人は少ない人に比べ、死亡のリスクが低い」という、
国立がん研究センターと横浜市立大などの研究チームの結果が、
栄養学の分野で評価の高いJournal of Nutritionという学術雑誌に掲載されました。
研究では、全国10都府県に住む40~69歳の調査対象者約9万5千人を約20年間追跡し、
食物摂取頻度調査票を用いて、野菜と果物の摂取量をそれぞれ5グループに分け、
野菜と果物の摂取量と死亡リスクとの関連を調査しました。
その結果、野菜や果物の摂取量が少ないグループに比べ、果物摂取量が多いグループでは全死亡リスクが約8〜9%低く、心臓血管死亡リスクが約9%低く、
野菜摂取量が多いグループでは全死亡リスクが約7〜8%低いことがわかりました。
ただ、野菜や果物の摂取量が多いほどリスクが下がるという訳ではありませんでした。
死亡リスクを低下させるのに推奨される摂取量は、野菜は300g以上、果物は140g以上とのことです。
以前のブログで「目に良い食品」として、ビタミンA、C、E、オメガ3脂肪酸、ルテンイン・ゼアキサンチン、亜鉛を豊富に含む食品を紹介しました。
今回は目の疾患別に、お勧めの食品を紹介します。
白内障の予防効果のある食品については多くの研究がなされており、
白内障の発生・進行の原因となる活性酸素を減少させる効果のあるカロテノイド(ルテイン、ゼアキサンチン)、ビタミンCやEなどを豊富に含む野菜や果物を摂取することで、
白内障のリスク軽減できることが示されています。
加齢黄斑変性も白内障と同様に、活性酸素を減少させる効果のある成分を多く含む食品の摂政が推奨されています。
ビタミンC、ビタミンE、ルテインやゼアキサンチン、亜鉛を摂取することで、
加齢黄斑変性の重症化を減らす効果が確認されており、
これらの成分を全て含んだサプリメントの服用が推奨されています。
緑内障では、活性酸素を減少させる食品の摂取による効果は弱いと報告されています。
眼科医療のための点眼薬や眼科薬剤の製造・販売を行っている参天製薬は、緑内障の進行予防と治療効果の向上を目的に、松樹皮エキスとビルベリーエキスを配合したサプリメントを販売していります。
本サプリメントの成分には視神経の血流改善作用がある可能性が報告されており、
緑内障で障害される視神経機能の維持に寄与するのではと推測されています。
活性酸素は、白内障や加齢黄斑変性の発生・進行の原因となるのみならず、
全身の種々の病気の発生・進行の原因となります。
野菜や果物には、活性酸素を減少させる効果のある成分を豊富に含むものが多いため、
いろいろな食品を食べて病気の予防に努めましょう。
カテゴリー
- お知らせ (12)
- ブログ (433)
- iPS細胞 (19)
- IT眼症 (9)
- OCTアンギオ (8)
- アルツハイマー病 (7)
- アレルギー性結膜炎 (5)
- お困りごと解決情報 (17)
- こんな症状が出たら (35)
- サプリメント (14)
- スタッフから (5)
- ドライアイ (17)
- 中心性漿液性網脈絡膜症 (2)
- 人工知能(AI) (14)
- 加齢黄斑変性 (105)
- 外斜視 (1)
- 抗がん剤による眼障害 (1)
- 白内障 (21)
- 看護からのお知らせ (1)
- 眼精疲労 (12)
- 糖尿病網膜症 (49)
- 紫外線 (2)
- 紫外線、ブルーライト (6)
- 網膜前膜 (3)
- 網膜剥離 (15)
- 網膜動脈閉塞 (8)
- 網膜色素変性症 (7)
- 網膜静脈閉塞 (12)
- 緑内障 (28)
- 色覚多様性 (2)
- 講演会 (28)
- 近況報告 (83)
- 近視予防 (39)
- 飛蚊症・光視症 (15)
- 黄斑円孔 (4)
- 黄斑前膜 (3)
- 未分類 (9)
アーカイブ
最新の記事
- 2025.10.17
- 点眼で加齢黄斑変性は治せる?最新研究が教えてくれる「期待」と「限界」
- 2025.10.11
- 散瞳検査と急性緑内障発作のリスク~瞳を広げる検査は安全なの?~
- 2025.10.3
- 飛蚊症や光が見えたら…「網膜剥離」になる前に知っておきたい目のサイン
- 2025.10.2
- 眼科疾患のリスク因子、診断・治療・予後の検討のための後ろ向き観察研究
- 2025.9.27
- 「進行は止められるのか?」─地図状萎縮の新治療と、患者たちの選択
- 2025.9.20
- 萎縮型加齢黄斑変性に治療薬「アイザベイ」
- 2025.9.12
- 見え方をデザインする白内障手術――テクニス「オデッセイ」「ピュアシー」のご案内
- 2025.9.7
- サプリメントを“医療”として正しく使う―眼科で効くもの・効かないもの、そして注意点
- 2025.9.5
- 電子処方箋がはじまります
- 2025.8.28
- 目の健康で人生が変わる:世界報告の要点と私たちにできること