診療予約専用 011-788-2210

お問い合わせ 011-708-1010

月~土 午前 9:00~12:00/月・木 午後 14:00~17:30
手術日 火・金の午後 / 休診日 日曜・祝日

交通アクセス [札幌駅徒歩3分]
交通アクセス

閉じる

ウェブ予約

白内障手術後のメラトニン分泌増加

先日、米国医師会の機関誌JAMAの姉妹誌であるJAMA Ophthalmologyの電子版に、白内障手術前後でのメラトニン分泌の変化に関する奈良県立医大眼科の論文が掲載されました。

メラトニンはヒトを含めた動物の季節のリズムや日内リズムの調節作用を持つホルモンで、脳の松果体で作られます。

眼の中の網膜に届いた光刺激の情報は、松果体に伝達されます。

昼間の明るい光によってメラトニンの分泌は抑制され、夜間は分泌量が昼間の十数倍に増加します。

このメラトニン分泌の日内変動が、身体の日内リズム形成に大切な働きをしています。

夜間労働等で日内リズムに変調をきたすと、うつ病や不眠症、糖尿病、肥満、メタボリック症候群になりやすいことが報告されています。

白内障の進行により網膜に届く光の量が少なくなり、メラトニン分泌量に影響が出る可能性が示唆されています。

今回の研究では、夜間のメラトニン分泌量を反映する早朝尿のメラトニン濃度を測定しています。

白内障手術前と術後3か月目の早朝尿メラトニン濃度の変化量と(75例)、手術を受けていない白内障患者(83例)の初回と3か月後に測定した早朝尿メラトニン濃度の変化量を比較しました。

その結果、白内障手術を受けた患者の早朝尿メラトニン濃度変化量は、手術を受けていない白内障患者の変化量と比べ、明らかに増加していることが判明しました。

白内障の治癒により、日中に網膜に届く光刺激が増加し、メラトニン分泌の日内変動が改善、夜間のメラトニン分泌増加につながったと推察しています。

メラトニンは抗酸化作用や抗炎症作用を有しており、メラトニンの分泌増加は筋肉増強や動脈硬化予防につながることや、糖尿病・心筋梗塞の発症リスクを下げることなどが報告されています。

以前のブログで「白内障手術を受けた方は認知機能障害のリスクが低く、視力が悪いと認知機能障害の発生が高まる」ことを紹介しました。

白内障手術は、白内障が治ることで視力の改善や、近視や遠視を改善させる効果があります。

さらに、メラトニン分泌の増加により、種々の全身疾患の予防にもつながる可能性がわかってきました。

白内障手術はアンチエイジングにつながりそうです。

カテゴリー

アーカイブ

最新の記事

2024.11.20
新生血管型加齢黄斑変性に対する点眼治療薬の開発が進行中です
2024.11.11
HBCテレビ「今日ドキッ!」で近視の児童生徒の増加を取り上げていただきました
2024.11.11
年末年始の診療について
2024.11.11
令和6年12月25日(水)受付開始10:30です
2024.11.11
令和6年12月7日(土)は休診です
2024.11.3
萎縮型加齢黄斑変性の進行を抑えるサプリメント
2024.10.24
2024年米国眼科学会(AAO)総会
2024.10.18
白内障手術:最近の多焦点眼内レンズについて
2024.10.9
3歳児健診
2024.10.3
近視の進行を抑える低濃度アトロピン点眼 

ひきち眼科HIKICHI EYE CLINIC 理事長・院長引地 泰一

〒060-0807 北海道札幌市北区北七条西5-7-1札幌北スカイビル14階
JR札幌駅西口、または北口から徒歩3分
ヨドバシカメラ様より北向かいのビルの14階になります。

診療予約専用011-788-2210

お問い合わせ011-708-1010

受付時間
診療受付
9:00~12:00 -
14:00~17:30 - - -

▲は手術日になります。また日曜・祝日は休診となります。