令和7年ゴールデンウイークの診療について
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2月20日、毎日新聞の医療欄に「黄斑前膜」が取り上げられ、東京女子医大の飯田知弘先生の解説が掲載されていました。
黄斑前膜は当院でも手術を受けられる患者さんが多い疾患です。
掲載記事でも紹介されていましたが、光干渉断層計検査(OCT)という画像検査の進歩によって病気の診断が確実となり、進行状況も評価しやすくなりました。
黄斑は、眼球の奥にあり光が像を結ぶ網膜と呼ばれる神経の膜の中央部分の名称です。
黄斑前膜は、黄斑の表面にセロハンのような薄い膜が形成される病気です。
形成された膜は徐々に分厚くなり収縮します。
膜が収縮すると、黄斑が引っ張られ、黄斑にしわが生じ、黄斑表面が波打ちます。
さらに進行すると、黄斑がむくみ、黄斑網膜の内部構造にも影響が出るようになります。
黄斑前膜の患者さんは、物がゆがんで見え(変視症)、物が一部分だけ大きく見えたり、見たい所がぼやけるといった症状を自覚するようになります。
両眼で見ていると、片眼の症状出現に気がつかないことが多いのですが、たまたま片目を閉じる機会があると、見え方の異常に気がつき、眼科を受診する患者さんが多いようです。
通常は加齢に伴って生じる黄斑前膜ですが、網膜剥離や網膜裂孔の術後、ぶどう膜炎のような目の中の炎症疾患が誘因となる場合もあります。
眼底検査や光干渉断層計検査(OCT)で診断を行います。またOCTは病状の進行を評価するためにも欠かせない検査です。
黄斑前膜によるゆがみや視力低下を自覚される患者さんには、硝子体(しょうしたい)手術を行い、黄斑上にできた厚さ100分の1ミリほどの膜を除去します。
ゆがみや視力低下の程度は、膜の厚さや網膜のしわの状況によってさまざまです。黄斑前膜が存在しても、網膜に悪影響を及ぼさず、無症状の方もおられます。
黄斑前膜が認められても、無症状の方は経過観察がよいと思われます。
黄斑前膜の多くの患者は進行が遅いため、主治医とよく相談して治療のタイミングを見極めるのが肝要です。
皆さん、さっそくセルフチェック。
ゆがみ(変視症)を簡単に検出できるのがアムスラーチャート(下図)です。
いかがでした?
気になられることがあった方は、眼科医にご相談ください。