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老眼治療の点眼薬

皆さんご存知のように、老眼は近くのモノを見た時にピントを合わせられない状態です。

薄暗い場所で文字が見えにくかったり、手元にピントが合いにくいといった症状が現れます。

老眼の原因は、目の中にある水晶体が加齢に伴い弾力を失うことです。

その結果、近くにピントを合わせる調節力が低下し、老眼の症状が出現します。

加齢が老眼を引き起こしますので、遅かれ早かれ誰もが老眼になります。

私の知る限り、現在、2種類の老眼治療点眼薬の開発が進行中です。

興味深いことに、双方の薬剤の作用機序は全く異なっています。

一つの点眼薬は、瞳を小さくする(縮瞳)作用があります。

瞳が小さくなると、瞳が大きいときと比べ、近くや遠くにピントを合わせることができる距離が長くなり、ピンホール効果と呼ばれています。

カメラの絞りを絞ることで、ピントの合う距離が長くなるのは、まさにピンホール効果です。

点眼薬でカメラの絞りを絞るように縮瞳させ、ピントの合う距離を長くすることで、手元の見えにくさを改善し、老眼を治療します。

もう一つの点眼薬は、水晶体が加齢に伴い失った弾力を回復させる作用があります。その結果、加齢に伴い低下した調節力が改善し、老眼を治療することができます。

完全に調節力を回復させるという訳にはいかないようですが、10歳くらい若返るようなイメージだそうです。

いずれの点眼薬も、米国で第2相臨床試験が終了しました。

第3相臨床試験で点眼薬の有効性が確認され、FDA(米国食品医薬品局)の承認が得られると、米国で薬剤の販売、使用が可能となります。

高齢化社会の日本には待ち遠しい点眼薬ですね。

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