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黄斑円孔と変視症

黄斑円孔は、網膜の中央部分である黄斑に円形の孔(穴)ができる病気で、

60歳以降の女性に多く認められます。

黄斑の中央部分である中心窩(図1上段)が周辺側に引っ張られ(図1下段 赤矢印)、

中心窩周囲の網膜が周辺に移動した結果、

黄斑中央部に円い網膜欠損(図1下段*部分)が生じ、黄斑円孔が形成されます。

図 1

黄斑円孔では、視力低下や物の歪み(変視症)、見たい部分が欠ける(中心暗点)といった症状が現れます。

黄斑部には加齢黄斑変性など、いろいろな疾患が生じますが、

いずれの疾患も変視症が現れます。

黄斑円孔の変視症は、他の疾患とは異なった特徴があり、

変視症の様子を聞き取るだけで、診断への有力な情報となります。

図2は黄斑円孔の変視症の特徴を示しています。

例えば人の顔を見ると、目や口が顔の中央に向かって引っ張られ、つぶれているように見えます。

真っ直ぐの線が中心に集まるように歪んでいます。

図 2

図3の左は本来のモナリザ。

右のモナリザは、右目が目の中央に引っ張られるように歪んでいます。

これは2000年に報告された黄斑円孔の変視症に関する論文に掲載された図で、

黄斑円孔の変視症の特徴がとても分かりやすく示されています。

図 3

黄斑円孔が生じると、黄斑の中心部に存在する視細胞は、図1下段の青矢印の方向、すなわち周辺に偏位します。

本来は中心にあった視細胞が周辺に移動した結果、

中心にあった視細胞と周辺にある視細胞との位置が近接し、

脳の中のイメージとして、周囲の物が中心に向かって集まるように認識されるのです。

黄斑円孔の治療は、唯一、硝子体手術です。

図4のように、手術により黄斑円孔は治り、正常に近い黄斑部形態に回復します。

図 4

黄斑円孔に対する硝子体手術の有効性が初めて報告されたのが1991年。

30年近くが経ち、確立された治療法となりましたが、現在も手術方法は進歩しています。

大きな黄斑円孔は治りづらかったのですが、術中の手技の工夫により、孔が閉じる可能性が格段にアップしました。

初回手術で95%ほどの症例で、黄斑中央部の網膜欠損は治ると報告されています。

ただ、黄斑円孔の症状は両眼で見ていると気づかないことが多いようです。

たまたま片目をつぶって物を見る機会があり、そこで初めて物のゆがみや、見えない部分があることに気づく患者さんが多いようです。

硝子体手術で黄斑円孔を治すことは可能になっています。

術後の機能がどこまで回復、向上するかは、早期発見・早期治療にかかっています。

片目をつぶって、見え方の自己チェッックを!

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