令和7年ゴールデンウイークの診療について
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9月29日(日)、東京で開催された講演会「加齢黄斑変性治療の温故知新-これまでの臨床経験と最新のエビデンスをどう生かすか-」で講演して参りました。
2時間半の講演会に6人の講師が登壇し、滲出型加齢黄斑変性に対する治療や病態について講演し、これまでの治療成績や最近の新しい知見に基づき今後の治療について討論しました。
滲出型加齢黄斑変性に対する主要な治療法である抗血管内皮増殖因子療法(目の中に抗血管内皮増殖因子剤を注射する治療)が日本で認可されてから10年が経ちました。
この間、世界中からたくさんの研究結果が報告され、より良い視機能を生涯にわたって維持するための多くの知見が得られています。
滲出型加齢黄斑変性は長期にわたり継続した治療が必要であることが確認されています。
抗血管内皮増殖因子療法が導入された当初、治療開始時はひと月に1回の注射を連続3回行い、その後は毎月診察を行いながら病状の悪化時に再投与するという治療スケジュールでした。
現在推奨されているのは、ひと月に1回の注射を連続3回行い、その後は受診時には必ず注射する、ただし病状が落ち着いていれば受診間隔を徐々に延長していくという治療スケジュールです。
病状が落ち着いていても、ある日突然悪化し、視力が極端に低下、その後回復しない症例があり、落ち着いている状態でも定期的に薬剤投与を行い、突然の再発・視力低下を抑制することで、従来の治療スケジュールよりも良い治療成績が得られるようになりました。
病状が軽い段階で治療を開始し、しっかりと治療を継続することで、長期にわたり良好な視機能を維持することが可能で、生活の便利さを維持することができます。
その一方、長期の治療経過中に黄斑部(網膜の中心部)の細胞が徐々に障害され視力が低下する症例があり、この黄斑細胞の障害が長期の視力成績に影響を与えることがわかってきました。
加齢に伴い黄斑部の細胞は徐々に障害され、その結果、加齢黄斑変性に進行します。
ですから、治療経過中に認められる黄斑細胞の障害は、加齢性の変化あるいは疾患そのものの経過として起こりえます。
黄斑細胞障害の進行をいかに抑えていくかが、加齢黄斑変性の長期治療における今後の課題の一つです。